ときめきメモリアル
BEAST-DEVIL-STORY
HIBIKINO.KYOUYA.SIDE

序 曲

 ―希望と恐れは切り離せない。希望のない恐れもなければ、恐れのない希望もない
 ―ラ・ロシュフーコー

 03/09/2008 PM 21:49 響野市
 第弐響野ビル屋上

 多くの人間が住む平和な街…響野市。
 夜にも関わらず、多くの人々が歩いているのが見える。
 そんな騒ぎも起こりそうもない街中に、一機のヘリコプターが飛んで行く。
 その後、刃先が碇の形をした槍を肩に担ぎながら、高層ビルの屋上から屋上まで跳び移る男が現れた。
 その男は、銀色のトゲの様に突き立った髪に黒いヘアバンドを巻き、目元にはツーリングゴーグルを着け、紺色のツナギを着ている。
 この男こそ、ひびきのサイドの主人公こと「水魔・鮫牙族」の生産完了体、「鮫崎鏡夜」である。
 彼がとあるビルの屋上に立ち止まり、響野市の光景を見ていた。
「ハッ、ごきげんだな!
 鏡夜が口笛を吹きながらそう言った。
「あ?
 彼が見下ろすと、多くのパトカーがサイレンを鳴らしながら、猛スピードで走る所を目撃した。
 それを目撃し、興味深く感じた鏡夜は走り去っていくそのパトカーの行列を追っていった。
「何だ?

 03/09/2008 PM 21:55 響野市
 響野タワー

 響野市の中心部…夜のビジネス街は既に雨に濡れていた。
 多くのパトカーはタワーの前に駐車され、多くの警官達が銃を持ちながら集まっていた。
 彼らが見上げると、空から体の一部に巨大な刃が付き、布袋で出来た謎の怪物が3体現れ、彼らの前に着地した。
 その内の一体は他の二体よりも大きく、刃の数も多かった。
 この二体の怪物は「スケアクロウ」と呼ばれる、悪魔の中でも限りなく底辺に存在するモノだ。
 そして体の大きい個体は「メガ・スケアクロウ」と呼ばれるスケアクロウの上位個体である。

 スケアクロウ
 魔界で生まれた甲虫の一種が群れをなして布人形の袋に入り込んだモノ。
 知能は低いが、あたかも一つの生命体の様に布袋を操っている。
 手か足に巨大な刃がついている個体が多い。
 メガ・スケアクロウ
 大量の甲虫が入り込み、大きく膨れ上がったスケアクロウ。
 他の個体と一線を画する魔力を持っている。
 並のスケアクロウと異なり、胴体にも刃が備わっている。
 常に背中を向けているが、それは布袋の中に入り込んだ際に前後を間違えてしまったが故、と言われている。
 ―国立禁書図書館収蔵「異形記」(年代不詳)から抜粋

「君達は包囲されている。大人しく投降しなさーい」
 一人の警察官がメガホンで警告しながら、多くの警官達が銃を構えながら前へ進んだ。
 だがその怪物はその警告を耳にせず、投降する気配も無い。
「構わん、撃て!
 一人の警官がメガホンでそう指示すると、多くの警官達は銃をその怪物に発砲した。
 しかし何発も撃たれても、スケアクロウ達はびくともせず平然な顔をしながら立っていた。
 すると、体の中から警官達が発砲した弾が抜け出し、地面に零れ落ちた。
「な、何て奴だ…! こ、後退! こうたーい!
 悪魔に対する恐怖を感じた一人の警官は、メガホンで他の警官達を後退する様に指示する。
 その中の一人はまだ発砲するが、当然ながら悪魔には通用しなかった。
 そんな警官隊が苦戦している中、鏡夜は暫しの間戦いを観賞していたが、一台のパトカーの上に降り立つ。
「ハッ…面白そうな事してんじゃねえか?
 そう呟くと、鏡夜はパトカーの上からその悪魔の前へと降り立った。
 鏡夜は他のメンバーより一足早く地元に戻っており、こうして時々現れる低級悪魔の駆除を行っているのである。
「き、君!ここは危険だ、早く逃げなさい!
 警官がメガホンで鏡夜に叫ぶ。
 だが、鏡夜はそれを気にもせずに悪魔達の方を向いたまま警官へと叫ぶ。
「心配すんな、こう見えても俺様はかーなーり、強い、ってな!!
 鏡夜はそのまま悪魔達の元へと突っ込んでいった。
「さあ来い! 戦い方を教えてやるぜ!

 00:00:00
 BATTLE START!!

「グガァ!!
 一体目のスケアクロウ(以後、A)が右腕の刃で鏡夜に切りかかる。

 00:11:52

「遅ェんだよ!
 だが鏡夜はその刃を槍で弾き、そのまま槍を突き刺した。
「1つ!
「ガ…ギィ…!?
 Aはその体を槍に貫かれ、ゆっくりと事切れる。

 00:29:46

「ゲギィッ!!
 その直後に二体目のスケアクロウ(以後、B)が鏡夜の背後から飛び掛り、右脚の刃で切りかかってきた。
「見えるぜ!
 だがそれにも鏡夜は気づいており、そのまま槍をフルスイングし、碇刃に繋がっている鎖を伸ばし、碇刃をBへと飛ばす。
「ギギャッ!?
 Bは飛んできた碇刃に対応出来ず、その脚の刃を絡めとられてしまい、身動きが取れなくなってしまった。
 鏡夜はその隙を見逃さず、Bの元へジャンプし、靴に仕込んだナイフで頭を蹴り切った。
「2つ!
「ギュ…ゲ…」

 00:57:68

「キサマァ!!
 その直後に自由落下を始めた鏡夜の真下からメガ・スケアクロウが体の刃を飛び散らす様に飛ばしてきた。
「何!?

 ドシュッ!!

 そしてメガ・スケアクロウの飛ばした刃は、回転しながら高速で鏡夜の脇腹へと刺さり、ツナギが鮮血で赤く染まる。
 槍を握る鏡夜の右手が力無く下がり、そのまま地面に激突し、鏡夜は動かなくなった…。

 01:03:58

「勝ッタッ!ヒビキノサイド完!!
「ヘェ、んじゃまだ始まってねぇ本編では誰が俺様の代役を務めんだァ…?
!?
「まだプロローグなのに主人公が死ぬかクソボケェ!!
 なんと鏡夜は、自らの脇腹に刃が突き刺さったまま目を覚ましたのだ。

 01:12:76

 そしてそのまま自分の脇腹に刺さったその刃を引き抜き、メガ・スケアクロウへと投げ飛ばした。
「少しばかりオイタが過ぎたぜ、おしおきだ!!

 ザシュッ!!

 メガ・スケアクロウは一瞬何が起こったのか理解出来なかった。
 だが次の瞬間、自分の体につい数秒まで己の武器として存在していた筈の刃が突き刺さっているのを感じた。
「ハッ…キメたぜ、新記録だ!!

 01:29:83
 New Records!!

「ギュ…マサカ…貴様ハ…」
「そうだぜ悪い子ちゃん、俺様の名前は『シャークブルー』だ…「水魔・鮫牙族」の生産完了体でもあるけどな…!!
「グ…キサマガアノ…ダガ忘レルナ…ワレラが滅シタトシテモ、必ズ同胞ガ貴様ラヲォォォ…!!
 メガ・スケアクロウの体が消滅したと同時に、スケアクロウA、Bの体も消滅した。
 こうして鏡夜はわずか1分半ほどで3体の悪魔を滅してしまったのだ。

 03/09/2008 PM 22:34 響野市
 レッドブーツストリート/アーケード上

「あ〜あ、今日もよく戦いましたねェ〜、っと」
 鏡夜は夜の繁華街のアーケード上を翔っていた。
 あの後、警察とマスコミの言及がしつこかったが、何とか抜け出してきた。
(けどまぁ…スケアクロウまで人間界に出れる様になってやがる…そろそろ本気で行かねェと、さすがの俺様もキツいかねェ…?)
 心の中でそんな事を考えていた鏡夜。
 そして彼は闇夜の空へと翔けていった。

 03/09/2008 PM 22:36 響野市
 河川敷

 ある一人の少女が河川敷に座っていた。
 少女の目は虚ろで、まるで人を信じていない、信じようとしない目だった。
「また私は…ここに来ている…」
 少女はつい上を見上げた。
 上には星も見えない、闇夜の虚空があるだけだった。
「もう少しで新しい学校が始まる…でも…私の居場所はもう…」
 だが、今日の空は普段少女が見上げている空と少しだけ違った。
 一つの人影が空を飛んでいたのだ。
「え?
 だが、瞬きをした瞬間にその人影は消えていた。
「今のは…何…?
 少女はそのまま数分間、空を見上げていた。
 あの一瞬だけ空を翔けていた人影を名残惜しむかの様に…

 To Be Continue…

次 回 予 告

 御主人様(マスター)

 ヤバイです

 ヤバヤバです

 響野での新生活が始まります

 そろそろ他の仲間も戻ってくる事でしょう

 ですが 緊張している暇はありません

 またもや夜の殺死合の時間です

 我は王我の名の下に…

 次回
 B.D.S.
 HIBIKINO.KYOUYA.SIDE
 第壱話
「時計じかけのブルー」

 悲しき戦いに、獣は吼える…

あ と が き

皆さん、お久しぶりでございます、REIGAです。
さて、ようやく投稿出来ました!
B.D.S.[HIBIKINO SIDE]のプロローグでございます。
今回はひびきの高校の入学式以前の話です。
が、鏡夜は光とはまだ再会しておりません。
さすがに再会は入学式のイベントですので…。
その代わりといってはなんですが、一人だけヒロインを先行登場させました。
恐らく私の説明とヒロインの口調で分り易くなってる…とは思います。
それでは、また次回も宜しくお願いします。

☆管理人の独り言☆

JoJoぇ……。

ま、まぁ、それはともかく。最後に登場したのは、やっぱりあの娘かな?
光ちゃんと再会していないという事は、やっぱり引っ越しイベントは起きたって事?
などなど、色々と気になる所がありますね。続き、お待ちしております。